「CR-185」とトコトン付き合う
第三話:表示が暗い

大人気の「ONKYO/CR-185」について、 これから10話にわたり、その構造や故障への対処方法等について、より詳しく説明させて頂きます。そして、より深く「CR-185」を知って頂き、より快適に、そして、「CR-185」と真正面から向き合って下さい。このズングリとした容姿が、可愛らしく見えてくるのが不思議です。

 

第一話:「CR-185」って、何?
第二話:音飛びがする
第三話:表示が暗い
第四話:ボタン操作が変?
第五話:「CR-185」の故障と原因の関係
第六話:簡単ニコイチ、やってみる?
第七話:CDが中に閉じ込められた!
第八話:何故、CDが読めないとベルト交換するの?
第九話:本体だけで操作
第十話:「CR-185」を更に深く知る

第三話:表示が暗い

機に限った話ではなく、1990年代に発売の機種に良くみかける状態です。中には、殆ど見えなくなっている個体もあるかも知れません。逆に、1980年代の機種において、表示がぼやけていたり、ムラのある個体に出会った事が無い。ディスプレイは、明らかにコストダウンの対象となった様です。

原因は、(a)ディスプレイの経年劣化、(b)極微細なチリがディスプレイの裏面に付いている、(c)コンデンサー劣化などです。

(a)の場合は、どうしようもありません。我慢するか、ディスプレイ良好な個体とのニコイチでしょうか。(「ニコイチ」は第六話で)

(b)の場合には、内部をクリーニングすると綺麗になります。本機の場合は、かなりの確率で、見違える程に、気持ちが良くなる程に、綺麗になると思います。是非、お試し下さい。

(c)比較的稀なケースですが、ムラが少なく、(b)を施してもまだ暗い場合には、これが考えられます。

 

ムラが有る場合には、電源オフ時に点滅している特定ドットの劣化です。時刻合わせをしておくと、使用するドットが時間の経過と共に自然に変化するので、ムラの程度を抑制できます。リモコンが無くても時刻合わせはできますので、「第九話」で紹介する操作方法に従って、時刻設定して下さい。使用しない場合には、電源を切ってしまうと良いのですが、コンセントをその度に抜くのは面倒。その場合には、「電源リモコン」で電源を切ると言う方法もあります。

 

(b)の場合には、ディスプレイの内部をクリーニングする事によって解決します。ネットなどでは、なにやらプロの業の様に書かれている場合がありますが、この程度でプロを自認するようでは・・・。そんなに難しくは無いし、未経験者の方でも作業は可能と思われます。

 

早速、挑戦してみましょう。

①先ず、プラスの一般的なドライバーを用意します。

②サイド・カバーを外します。左右に2本づつと、後ろに1本あるネジを外します。後ろから持ち上げるようにしてから、後方に抜いて下さい。

③本体を裏返し、正面パネルを止めてる黒いネジ2本を外し、カバーの下側を数ミリ程度引き出します。

④正面カバーの上面が、2カ所のツメで止められているので、一つずつ自分の親指の爪でカバーのツメを少し押し込みながら、あるいはかマイナスのドライバーを奥から隙間に差し込んで、手前に少し引き出します。

⑤正面カバーの上面が少し外れたら、今度は下面を少しずつ外し、正面パネルを本体から完全に外します。さらに基板に差し込まれているボリューム・ツマミを外します。固い場合もありますが、差し込んでいるだけなので、必ず外れます。

⑥正面パネルの基板部が、4本のネジで止められているので、これを全て外します。

⑦正面基板部の上部に、白いフレキシブル・ケーブルという配線が、本体と接続されているので、これの両端を摘み、揺らすようにして少しずつ抜いていきます。片方だけを抜くと、コネクター内部でフレキシブル・ケーブルが噛んでしまい、この状態でさらに強引に抜くと、フレキシブル・ケーブルの接触部分を痛めます(経験済み)。最悪、修復不能になりますので、左右に少しずつ揺らす様にして抜いて下さい。

⑧正面基板部の左側からトレー左辺りを通って後方に伸びている黒いケーブルがあるので、これをトレー左の止めから外します。かなり、正面基板部が自由になったと思います。

⑨正面基板部を見ると、10個位のネジがあるので、これを外します。そうすると、基板が外れます。

 

・・・分解作業はここまで

ディスプレイの蛍光板と正面パネルの内側を、濡らしたシルコット(ティッシュペーパーは避けた方が良い。意外に傷が付く事が多い)で何回も軽く擦り、シルコットに汚れが付かなくなるまで、拭きます。強く擦ると傷が残りますので、なぞる様な感じで行って下さい。くれぐれも、自分の爪がディスプレイの表面に当たらない様に、注意して下さい。
日常生活では柔らかいと感じるティッシュペーパーも、本作業では固い材質です。間違いなく薄い傷が付いてしまいます。
綺麗になりましたら、乾いたシルコットで丁寧に拭い去ってください。
参考YouTube:[PONY-修理]表示の曇りを改善

 

⑩作業が終ったら、逆順に組み立てるだけです。⑤で正面パネルを取り付ける時にも、ディスプレイ基板側とカバー側の埃等を拭い去ってください。

 

(c)の場合には、(b)の場合と同様に、⑨項まで分解すると、ディスプレイの近くに、コンデンサーが一つだけポツンとあります。容量と電圧が印字されているので、同等性能のコンデンサーに交換してみて下さい。同等品が入手できない場合には、容量および耐電圧が当該品以上であれば、結構。電池はこうはいきませんが、コンデンサーは大丈夫。但し、基板を収める場合に当たらない大きさ以内である必要はあります。足を基板の裏側でハンダ付けし、コンデンサー本体を横向きに置く形で、足の長さを調節して下さい。取り付ける場合には、極性がありますので、プラスとマイナスを間違えないで下さい。概ね、オリジナル品にも交換するコンデンサーにも縦に帯の様な極性を表す印が印字されているので、その位置を合わせると良いでしょう。オリジナル品を外す場合に、この位置をメモしておいて下さい。
あまりハンダ付けに慣れていない方でも、そんなに難しい作業ではありません。どうでしょう、新品の時の様に明るくなる場合があります。

 

いかがでしたでしょうか。次回は、ボタン操作がおかしい場合の対処方法です。
第四話:ボタン操作が変?

YouTube関連動画


 


当サイトの文書、画像や写真等を他のサイトにて無断で使用される事を固く禁じます。

 Copyright(C) Stereo Studeo PONY All Rights Reserved Since 2014. ステレオ工房 ポニー
アクセスカウンター