オーディオ用語 & HOW TO
2019年 4月 19日 更新

どこからか転記したという内容でもなく、自分の過去の経験に基づいた内容であり、間違っている事もあるかも知れません。ご指摘を頂きましたら、大変有難く存じます。

 

【アンプ
オーディオに興味が無い方には、この存在を知らない方が多い。ラジカセやテレビにも内蔵されているが、普段は意識する事が無いからだろう。音楽を聞くには、CDを再生させる「CDプレーヤー」とこの音を増幅させる「アンプ」、実際に耳に聴こえる音にして出す「スピーカー」が必要で、ラジカセ等は、これらが全て内蔵されている。専用機器を購入する場合には、これらを個別に入手し、オーディオ・コードとスピーカー・コードでこれらを繋ぐ必要がある。

「複合機」の中に「・・・アンプ」とあれば、アンプが内蔵されている。初心者の方には「複合機」をお勧めする。オンキョーの「FRシリーズ」などは、「CDプレーヤー、MDデッキ、チューナー、アンプ」機能が全て内蔵されているので、あとは「スピーカー」を買い足せば良いだけである。
表現に誤りがなければ、「・・・プレーヤー」や「・・・デッキ」とあれば、アンプとスピーカーが別途必要となる。

 

インシュレーター(足)】
オーディオ機器の底に付いている4つの足の事である。あまり見えない部分なので、どんなインシュレーターが付いているのかを確認する人も少ないであろう。本来は、外部からの振動を自身の内部に影響がないように、振動を吸収する役目である。ところが、これが積み重ねている下の機器を凹ませたり、ゴム跡や傷を付けたりするので、注意が必要。この下に、更に薄いクッション材を敷いておくと良いだろう。

 

【インピーダンス
専門的には、「ウィキペディア」で調べると良いだろうが、オーディオ分野では、主にスピーカーの性能を表す。分かりやすく言えば、音の出易さ(効率)と思って良いだろう。単位はオーム[Ω]。この値が小さい程、小さなエネルギーで大きな音が出る。スピーカーのインピーダンスは、一般的には4~8[Ω]と言う値になっている。アンプ側での許容値は、4~16[Ω]が一般的であるので、問題になる事は少ないが、先ずは、アンプとスピーカーのインピーダンスは必ず確認しなければならない。インピーダンスが合わないスピーカーを接続すると、アンプ内部でプロテクト回路が働いて、動かなかったり、最悪の場合には故障を誘発する。
次いで注意しなければならないのは、複数のスピーカーを1つのアンプに接続する場合、8[Ω]のスピーカーであれば、2台を接続すると、実質4[Ω]のスピーカーが1つと同じ事となる。6[Ω]のスピーカーであれば、2台で3[Ω]となり、アンプの許容値を下回るので、アンプ側で問題が発生する可能性がある。複数のスピーカーを1台のアンプに接続するには、専門的な知識がないと、トラブルに発展する可能性があるので注意。

 

【ウーハー
スピーカーは、一般的に大きなサイズ程、低音が出やすくて、高音は出にくい。逆に小さいサイズでは、高音は良く出るが、低音は出にくい。それは、低い音域では、空気を振動させる強いエネルギーが必要(口径の大きなサイズで重低音を聞くと、空気振動を肌で感じる事ができる)。高い音は、細かな振動を再現させるので、俊敏な動きができる軽い材料が必要。従って、多くのスピーカーは、ウーハーとツィーターの構成とする場合が多い。これを2ウェイ(Way)と言う。

ウーファーは、低音部のみを専用に出力するスピーカーで、ツィーターは高音部を担当し、合わせて全音域をカバーする。さらに、中音部を専用に出力する「スコーカー」、最高音域を担当する「スーパー・ツィーター」、超重低音を担当する「スーパー・ウーハー」というのもある。
複数の種類のスピーカーを利用すれば、よりワイドレンジな音を実現するのに有効だが、各スピーカーの音質差や出力差、また出力音域のダブリなどを嫌がるマニアも少なくない。一つのスピーカーで全音域をカバーするスピーカーを「フル・レンジ」と言う。
余談になるが、高音域ほど指向性が高く、低音部は無指向性となる。つまり、ツィーターはなるべく聴き手に向けておくと良い。「スピーカーは耳の高さで」とは、正確には、「ツィーターの位置は耳の高さで」となる。スーパーウーハーを導入している場合には、ウーハーを装置から離して設置しても、さほど問題にならない。ちなみに、5.1chなどに使われているスーパー・ウーハーは、大概下を向いている。

 

【オーディオコード/RCAコード】

 

  オーディオ機器間の音声信号を伝達するのに用いる。見た目から赤白コードと呼んだり、ピンの形状からRCAコードと呼ぶ事もある。機器が離れていると長いコードが必要になるが、機器が近くに設置してある場合には、背面がコードでゴチャゴチャになる原因にもなる。概ね、1m程度が、扱い易いだろうか。マニアになると、コードや接点の抵抗増加を嫌がり、線の材質や金メッキ(サビないので、接触抵抗が小さい)かどうかなどに拘る。弊方の駄耳では、その違いは分からない。

【オーバーホール
オーバーホール(Overhaul)とは機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のことである。通常の点検作業では出来ない清掃作業や劣化部品の交換、調整を主目的とする。【ウィキペディア】より
古くなった機器は、内部のコンデンサーが劣化(出力エネルギーの低下、内部抵抗の上昇)したり、サビ等によって各端子間の接触抵抗が増加、ベルトの伸び、グリスの硬化などが見られ、音質低下や動作不良の原因になったりする。オーバーホールとは、これらの経年劣化を、クリーニングしたり部品交換する作業である。本来ならば、オーバーホールには、「全面的」という意味を含んでおり、新品と同様の性能を回復するには、その機種の純正部品と交換する必要がある。メーカーやそれを専門とする業者でなければ不可能な作業である。
従い、オーディオ機器におけるオーバーホールとは、一部の専門家を除いては、一般的にはメディアを読み込むメカ周辺、リレーの接点、ボリュームの接点、ハンダ割れ補修など、実際のところは、メカ部を中心にしたメンテナンスと思って良いだろう。コンデンサーやその他電子部品の全ての動作をチェックするのは不可能である。何をどうするかは決まっていないので、メンテナンスとほぼ同義語と思っても良いだろうし、過分な期待は禁物である。

 

【音出し
実際の機器に接続し、スピーカー等から音を出してみて、異常がない事を確認する作業である。CDプレーヤーを例にすれば、CDを読み込ませて、ディスプレイに演奏時間が表示されたり、再生ボタンを押すと、時間の経過が確認できる。ところが、CDプレーヤーの出力端子に異常があれば、アンプに接続しても、スピーカーから音が出ない。あるいは、ノイズが出ていたり、少々の音飛びなどがあっても、実際に音出しをしてみないと、正常かどうか分からない。軽んじられる動作確認だが、無視できない確率(弊方の経験でも、1/10程度)で、これらの不具合は発生する。従い、「動きました」とか、「音出し未確認」などの場合には、これらのリスクがある事を承知しておいて下さい。

 

【音飛び
CDなどの再生中に、音楽が急に途切れる事がある。一般的には、瞬間的に数秒程度先に進んでしまう。CDの読み取り面が汚れていたり傷がなどがあった場合に良く見かける現象である。結露が発生したり、CDを読み取るピックアップが弱っていたり、その他の機器側の問題など、様々な原因で起こる。従い、「音飛び」したからといって、全ての原因が機器にある訳でもない。先ずは、お手持ちのメディアを疑うべきであり、メディアは大事に取り扱うべし。
「音飛び」が出た場合には、« 動作確認時におけるお願い »のⅢ章(4)の操作にて回復する場合もありますので、お試し下さい。

 

【音質
オーディオ装置にとって、一番重要な性能である。人間の可聴範囲は、20Hz~20kHzと言われており、これに基づいてCDの録音周波数が決定された。ところが、重低音(100Hz以下)は音漏れが激しく近所迷惑。加齢と共に高音域の可聴能力は低下し、10kHz以上は現実的には聴き取れにくい。従い、CD以上の再生能力があるSACDなどは、殆どの方々にとっては、無用の長物と言って良いだろう。SACDプレーヤーは故障し易く修理も難しい現実もあり、あまりお勧めしない。
最も重要視したいのが、高音域(1kHz以上)、中音域(100Hz~1kHz)、重低音(100Hz以下)のバランスである。それぞれのメーカーには、それぞれの特色があり、ヤマハの「ナチュラル・サウンド」、ボーズの「アメリカン・サウンド」などは有名である。良く使われる音質を表現する言葉について、以下に大凡の音傾向を紹介する。
メリハリ:「シャキシャキ」や「粒立ちが良い」と言う表現も同じか。楽器の一つ一つの音がハッキリ聴こえ、むしろ余韻が少ない感じ。「立ち上がりが良い」と言う表現を使う場合もある。
ドンシャリ:「ドンドン、シャリシャリ」という楽器の音から来ていると思うが、高音部と低音部をやや増強した感じで、これを良い音と感じるか、煩いと感じるかは、好みの問題。
ブーミー:本来の重低音(30Hz~100Hz)ではなく、重低音の倍音(100Hz~200Hz)辺りを増強した音。一聴すると低音が出ている様に感じるが、「軽い低音が煩い」感じだろうか。昔のバブカセ(低音を強調したラジカセ)に多いパターンです。
切れが良い:シンバルの音が、とても清んでいる感じ。あるいは、ベースの音が、「ボンボンする」感じではなく、弦の弾ける感じが出ている感じ。
バランスが良い:低音域から高音域までフラットに出ていて、ベースと人の声とシンバルの音量差に違和感がない。重低音(50Hz以下)や超高音域(10kHz以上)まで出ているかどうかは、別問題。
音質を決定する要因としては、スピーカー、アンプ、試聴環境、CDプレーヤーなどの再生装置の順番になろうか。つまり、どの様なスピーカーを選ぶかが一番のポイントになる。そして、そのスピーカーに合ったアンプを選ぶ。最近のCDプレーヤーは、どれも同じような音傾向と感じる。アンプには、音質を細かく調整できる機種を選ぶと良い。
また、再生装置、アンプ、スピーカーがシリーズで構成されているセット商品は、それぞれの機器特性を意識して音質調整されているので、音質バランスが一番ベストな状態である。従い、別のセットに組み込む場合には、期待外れの結果となる場合もあり、それをその装置の評価とするのは間違いである。
一度は聴いてみたいのが、スーパー・ウーファーを加えた装置、あるいは、30cm級のウーファーを有する大型スピーカーである。1970年頃に訪れたオーディオ・ブームでは、30cm級のスピーカーが主流であった。聴くと言うより、重低音が空気を振るわせ、体で重低音を感じる事ができる。但し、周囲へも大量に音漏れを起こすので、注意が必要。また、レコードの音(アナログ)は、CD(デジタル)とは全く異なる音傾向です。音楽に興味がある方であれば、是非一度聴いてみて下さい。カセット・テープの音も、レコードよりかは音域が狭いが、同じ音傾向です。CDをカセットに録音して、カセットで音楽を楽しむのも一考。

 

【ガリ
アンプなどのボリュームを回すと、「ガリガリッ」と大きな音が出る事がある。耳をふさぎたくなるような大きな時と、僅かに聞こえる程度と、状態は様々である。ヤフオクなどの商品説明などでは、切り替えスイッチで「ガリッ」という音がした場合にも使われる事がある。いずれも、似たような症状である。特に、1年間以上、触っていない場合に起きる。CDプレーヤーのヘッドホン・ボリュームも同様である。ボリューム側の回転盤と、基板側の抵抗板との接触不良が原因である。これが更に高じると、片方から音が出ないとか、音が左右でふらついたりする。デジタルの場合には、ボリュームを上げても、音(値)が大きくならない等の症状が出る場合もある。

これが出ると、さも故障したかのような嫌な気分になる。接点復活剤を使って、改善したと言う話も多く聞かれるが、これによって基板の腐食を促したと言う話もある。一番良いのは、ボリュームの部品を交換する事であるが、なかなか難しい話なので、グリグリと何度も回して見る事が手っ取り早い。修理の経験がおありならば、分解掃除という手もある。ちなみに、放っておけば、悪化する事はあっても、自然回復する可能性は皆無。

 

【機能】
オーディオ機器の場合、機器の価値を判断する要素に、「品質」「性能」「機能」「信頼性」がある。ここでは、「機能」について述べるが、合わせてそれぞれの項も参照願いたい。
機能とは、製品毎に設定されていて、「CDプレーヤー」だからどれも同じ、とはならない。また、本体のボタンで操作できるか、リモコンがないと操作できない場合もあるので、意外と難しい。
これまで多くの再生装置を聴いてみて、一番欲しい機能は、アンプの音質調整である。別途、イコライザーを導入するのが一番望ましい。やはり、好みの傾向もあり、設置環境を補正し、スピーカーの高音域や重低音域の能力不足分を補い、音源の違いもある程度補正できる。意外と、メーカーや製品によって違いがあるのが、リピート機能が本体にあるかどうかである。また、本体のみでリモコン操作できるか、アンプに接続していないとリモコン操作できない場合もある。
何が必要な機能かは、その人によって違うので、ここでは一概に説明できないが、最近の傾向として、リモコンに操作機能の殆どを移行していて、本体のボタン数が少ない。結果として、本体で操作できる機能が少ない。リモコンが付属しない場合には、本体だけで必要な機能が操作できるかどうか、購入前に調べておく必要がある。

 

【キャビネット
スピーカーの外側のケースの事であり、化粧板という場合もある。音質的に重要な役割を持っているが、それ以上に、良く見える場所に設置される事が多いと思うので、デザインや仕上げ塗装、外観の程度は重要と思われる。木材(合板)が多用されるが、時としてプラステック製の場合もある。コンコンと叩いてみて、しっかりした感じの音がすれば、良質か。中には、吸音材と言われる綿のようなものが入っており、これの材質や量によっても、音質は変化する。

「密閉型」と「バスレフ型」があり、「密閉型」は、スピーカーの裏側(キャビネットの内部)に発生した低音成分などをキャビネットの強度や吸音材などで塞いでしまう方式で、「バスレフ型」とは、これをさらに利用して、低音域の量感を出す方式。一般的には、「密閉型」は低音の量感は少ないが締まっていて、「バスレフ」は量感あるがややぼやけた感じ。「バスレフ型」をさらに発展させた「バックロードホーン型」というのもあり、小型のスピーカーから信じられない重低音が出てくる。どちらが良いという事は無く、好みの問題。

 

【ギャング・エラー
アンプの故障の症状を表す表現で、音量を絞った状態の時に、左右のスピーカーからの出力音量がアンバランスな状態の事を表す。特に古いアンプに出易いと言う。
原因は、昔のCDプレーヤーより今のCDプレーヤーの方が出力レベルが高いため、小音量で聴こうとすれば、ボリュームをより小さく絞る事となる。ところが、昔のアンプでは、その音量で音楽を楽しむ事を想定していないため、左右の音量差を気にしていなかった設計になっているらしい。基本設計の部分故に修理に出しても改善されない場合もある。
小さな音量でギャングエラーを感じる事無く聴くには、出力可変付きのCDプレヤーで、出力レベルを下げ、アンプ側のボリュームを大きくして聴くと良い。つまり、ギャングエラーが出る部分ではないところで聴く事である
これに良く似た現象に、ボリュームやスピーカー・リレーの接触不良がある。出力が小さいと、当然の事ながら、スピーカーへの出力電流も低いため、接触が悪い個所では導通できなくなる。音量を上げると回復する事もありますが。接点をクリーニングすると発生頻度は改善されますが、経年劣化の一つとも言える症状で、寿命が近づいているとも言えるでしょう。

 

【グリスアップ
メカ部分を含む機器(CDプレーヤーやMDデッキ、カセット・デッキなど)は、金属やプラスティック部品が細かく接触し、連動し、精密な動きを実現している。新品時はメーカーにて調整されているが、経年と共にグリスが固くなったり、埃が付いたりと、メカの動きがスムーズでなくなる。時として、動かなくなる。

メンテナンス作業にて、これらの部分にグリスを再塗布する事を「グリスアップ」という。但し、古くなったグリスの上に、スプレーなどで吹き付けても、あまり良好な効果は得られない。その場合には、古いグリスを一度拭き取ってから(弊方では、これをグリスダウンと呼んでいる)、新しいグリスを塗ると良い。メンテナンスの基本中の基本。当然の事だが、グリスアップすると、動きがスムーズになるだけでなく、嫌な音(接触摩擦音)も小さくなり、ベルトへの負荷も小さくなり長持ちする事となる。

 

【コピーコントロールCD/CCCD

 

著作権保護の目的で開発された複製防止技術で、これに対応したCDをコピーコントロールCD(CCCD)と呼ぶ。しかしながら、この技術の完成度は極めて低く、実際にこれに対応したCDは、市場でも大きな問題を起こしている。つまり、一般的なCDの規格との不整合により、これを正常に再生できないオーディオ機器が大半なのである。
一般の方々は、通常のCDなのかCCCDなのかを意識することなく購入し、再生しようとすると再生できない事態に陥る。中古品市場でも「このCDプレーヤーは、新品CDも再生できないので、故障している」と騒ぐ。メーカーに問い合わせれば、「それは動作保証外である」と言う。
「市場を形成するのは一般消費者」であり、「市場は一般消費者の嗜好によって発展する」と言う本質を見失い、安直な考え方で安易に規格を作成し、それを市場に強要した。まさに音楽業界の「マイルール」であり、無駄な変更を繰り返すMicrosoft/Windowsなどとも共通する姿勢である。自らの行為が、市場の発展を妨げている事に気が付かない。
CD再生装置が読み取りエラーを起こしたら、まずはCDを確認してください。

【ジャンク品】
「ジャンク」とは英語で「JUNK」と言い、「ガラクタ」などや「使い物にならないクズ」と言う意味である。オーディオなどの家中古家電に使われる。実際の意味では、①何らかの不具合がある、②動作確認していない、③動作する事は確認したが保証はしない、となる。つまり、「動かなくても出品者の責任ではない」と解釈すべきである。少なくとも、出品者はそういう意味で使用している。
結局、「動作保証しない」製品は、全て「ジャンク品」である。「ジャンク品」と表示せず「ノークレーム」と記している場合があるが、上記の定義に従えば、それは「ジャンク品」である。間違ってはならないのは、「整備(メンテナンス)済み」や「動きました」とあっても、最後に「ノークレーム」と記されていれば、明記されていなくても、それは「ジャンク品」である。「ジャンク品」ではなく「正常品」が欲しいのであれば、いくら安くても「ジャンク品」を選択してはいけない。

 

【初期化】
初期化とは、装置の設定内容を、新品時の状態に戻す事です。「リセット」「工場出荷状態」「イニシャライズ」などと記載されている場合もありますが、意味は殆ど同じです。
チューナー部のプリセットや音質設定などが、前所有者の好みや環境にて設定されていたりして、ちょっとイライラします。ひどい場合には、音量が小さかったり、時間表示がおかしかったり、使用に支障を来す場合もあり、なかなか厄介です。通常では、リモコン操作で変更可能ですが、リモコンを持っていない場合には、更に厄介な事態に陥ります。
本体のボタンの特別操作で「初期化」できる場合がありますので、お試しください。« 本体操作で初期化(リセット) »

 

【ショートプラグ】

 

  「ジャンパー・プラグ」とか「ショート・ピン」などと言う事もある、コの字をしたピンである。
2個セット。アンプによっては、グラフィック・イコライザーやサラウンド・プロセッサー等への出力端子を有している場合がある。この端子がオープン(何も繋いでいない状態)になっていると、アンプは、スピーカーへの出力を止めてしまう。出力端子はRCA形状なので、通常のオーディオ・コードで代用可能だが、それぞれの端子に差し込んでおくと、スピーカーから音が出るようになる。接続は、「OUT」と「IN」の赤と赤、白と白をショートさせる。各機種とも共通の形状の様に思えるが、定かでは無い。

【周波数特性
楽器を鳴らす事によって発する音は、当然、楽器によって異なる固有の周波数を持っている(というか、この振動の状態を表すのが、そもそも周波数という訳である)。周波数が小さい程低音域であり、大きい程高音領域を表す。周波数の波形が、音色である。ベースなどは50~100Hzあたり、人の声は100Hz~1kHz、シンバルの音が1~5kHz辺りか。人間の可聴周波数は、20Hz~20kHzといわれており、一般的なオーディオの再生帯域も、これに合わせている。といっても、20Hzの音も、20kHzの音も聞こえない人が多い。何故って?歳を取ると・・・。

ところが、100Hz~5kHzしか再生できないステレオ装置でも、それなりの低音のベース音が聞こえてくる。それは、倍音という周波数成分である。50Hzであれば、100Hz,150Hzという周波数も発せられます。先ほどのステレオ装置も、この倍音部分を再生しているので、ちゃんとベースらしい音が聞こえるのです。悔しい事に、その辺りで使われているスピーカーの殆どは、この倍音からの再生音であり、原音周波数ではない。この原音を聞くには、やはり、スーパー・ウーファーを付けるしかなさそうである。

 

【信頼性】
オーディオ機器の場合、機器の価値を判断する要素に、「品質」「性能」「機能」「信頼性」がある。ここでは、「信頼性」について述べるが、合わせてそれぞれの項も参照願いたい。
信頼性とは、メーカーが定める性能が、一定期間それを維持する事である。つまり、新品時の性能が、どの位の期間、維持できるかが、高信頼性と低信頼性の違いである。安価な部品であれば、初期性能を満たしても、長期信頼性(最低でも1年間)が低いので、その様な部品を組み込むのは避けたいところであるが。一般的な家電製品の寿命は3年~5年程度だが、オーディオ機器の場合には、数10年に及ぶ事もある。1980年代の製品が、今もって正常動作するケースも少なくない。もちろん、ベルトやピックアップ等の消耗品は、定期的な交換が必要である。
但し、一般的な製品保証の期間は1年であるので、メーカーの考え方の違いにより、1年以降の性能の維持は一定しない。「買って3年しか経っていないのに壊れた。だから、このメーカーは良くない」と考えるのは早計である。また、「ソニー・タイマー」と表現したり、「オンキョー製品は壊れやすい」と良く言われるが、これらは非難するに値しない。著名メーカーであるが故に、市場に出回る機器の台数が他のメーカーに比べて大量であり、故障品に遭遇する確率が高いだけである。これまで、多くの機器の内部を見てきたが、両社の構造設計が貧弱であると思った事は無い。どのメーカーも概ね同様である。
但し、リコールする程度でもないが、設計的な問題を含んでいる場合もある。« 持病持ち »で紹介している機器達である。これらの機器は、いつ持病を発症するかは分からない。「動作しました」と言っても、明日にも持病を発症するかもしれない。要注意である。
製品の長期信頼性を求めるならば、使用する部品は、長期信頼性に優れた部品を選択する必要があるが、コスト・アップに繋がる。製品価格とは、これらの事柄を全て含んでいる。安ければ安いなりの理由が、確実に存在するのである。

 

【スピーカー・コード】

 

  アンプとスピーカーを接続するケーブルで、右と左の2本が必要で、1本の線の中には、プラスとマイナスの2本の線がくっついている。左右の接続を間違えると、左右の音が逆転するだけだが、プラスとマイナスを間違えると、どこかぼやけた音(中央がハッキリせず、低音もボヤンとする)になる。線には、色が付いていたり、文字が印字されていたりするので、これらを見ながら、間違いの無いように接続して下さい。ちなみに、線が太い(抵抗が小さい)方が良い音がすると言われているが、弊方の駄耳では、あまり分からない。それ以上に、機器の違いや設置環境の違いの方が遥かに大きい。特に高音域を発するツィーターの高さを、耳の位置にすると良い。

【スーパーオーディオCD/SACD 

 

  一般的なCDは、再生できる周波数帯域が決まっていて、可聴帯域と同じ20Hz~20kHzだそうである。対して、SACDは、2Hz~100kHzだそうである。通常のCDでも、人間の耳で聞こえる全域をカバーしているにも関わらず、何故さらに広帯域を求めるのか。それは、「音楽」とは「音を楽しむ」と言う意味であって、「音を聞く」事ではないからだと思う。難しい理論は分からないが、サンプリング周波数の兼ね合いも存在するであろう。再生音を、耳だけでなく肌で感じたり、各楽器の極精細な音調や音色の違いは、サンプリング周波数が高い方が良いのだろう。いずれにしても、一般のCDよりSACDの方が良音である事は、理論的にも確かである。また、CDプレーヤーの性能だけが良くなっても、以降のアンプやスピーカーの再生能力が低ければ、全く意味を成さない性能でもある。過去に、何度かSACDを聴いたが、驚くような違いまでは、感じられなかった。多分に先入観も入っているかも。
参考:ハイブリッドSACDと呼ばれるCDがあり、一般のCDプレーヤーでも再生できる。1枚のCDの中に、一般のCD規格とSACD規格の両方が記録されている。気を付けるというか、気が付かないと言うか、ピックアップが弱ってくると、ハイブリッドSACDを読み込んだ時に、SACDとしては読み込めず、通常のCD領域を再生している場合がある。SACDプレーヤーをお持ちの方は、一度確認した方が良いであろうか。

【性能】
オーディオ機器の場合、機器の価値を判断する要素に、「品質」「性能」「機能」「信頼性」がある。ここでは、「性能」について述べるが、合わせてそれぞれの項も参照願いたい。
性能とは、製品仕様に記載されている値であり、カタログや取説を見れば、その機器の性能はすぐに分かる。「定格出力」、「全高調波歪率」、「S/N比」などである。
性能は、良いに越した事はないが、それを聴く人間側にも能力的な限界や個人差があり、これを越えるほどの高性能には意味がない。意味がない程度にまで高性能部品を使用した製品も存在するので、「要注意」である。「所有する満足を得るため」と言うのであれば、それなりに意味のある事だが。
音質を決定する要因として、再生装置が優秀である事に越した事はないが、設置環境や装置の相性、再生する音源にも大きく左右されるので、結局のところは、自身でより良い音を目指して経験を積むしかないだろう。また、メーカーの能書きやネットの無責任な記事などに左右される事無く、ご自身の感性を磨く(良い音源、良い音を聞けば、感性は確実に向上する)事が一番重要である。

 

【接続する(1):再生機とアンプ
CDを再生させ、スピーカーから音声を出力するには、CDプレーヤーとアンプを、それぞれ専用の線で繋ぐ(配線)必要がある。DVDプレーヤー、MDデッキ、カセットデッキ、チューナーなどもCDプレーヤーと同等である。ここでは、これらをまとめて再生機と表現する。CDチューナー・アンプなどと呼ばれる複合機やラジカセなどは、CD部、MD部、チューナーなどとアンプが内部で接続されているので、改めてこれらを接続する必要はない。一般的には、アンプには「音量」や「VOLUME」などと印刷された大型のツマミが、一番操作し易いところにある。これが見当たらない場合には、アンプ機能がないと思っても良い。
再生機とアンプを接続するには、プラスとナイナスが一緒になった2極(赤白)のオーディオコードを用いる。高音質を求めるならば、光ケーブルを用いるが、再生機側にもアンプ側にも、デジタル端子が装備されていなければならない。さらにDVDプレーヤーなどでは、映像コード(黄色)も必要になり、赤白黄色の3本が一緒になっているケーブル(一般的に映像コードと言ったらこの形式を指す)が便利である。再生側の端子もアンプ側の端子も同じ色付けされているので、それぞれの色で接続する事。録音機能がある場合には、再生用の出力と合わせて、録音用の入力端子も接続する必要がある。従って、カセットデッキやMDデッキ、CDレコーダーをアンプに接続するには、オーディオ・コードが2本必要となる。背面にある装置の端子にオーディオ・コードで接続する訳だが、機器によって、端子の説明が異なった表記になっている。再生機では、「OUT」または「再生」と印字されている場合が多く、録音用には「IN」または「録音」と印字されている。アンプ側では、再生機からの入力は、「IN」や「INPUT」、「再生」などと表記され、録音用出力端子は「OUT」や「REC」、「録音」などと表記されている。取説などを見ながら、気を付けて配線して下さい。
ちなみに、CDプレーヤーをアンプのMDデッキ用の入力端子に接続しても、スピーカーから音を出す事はできるが、アンプの入力切替をMDデッキと設定しなければならない。また、アンプによっては、再生機の特徴に合わせて入出力の音量レベルを微妙に違えている場合があるので、どれでも全く同じとはいかない。当然の事であるが、CDプレーヤーをアンプのチューナー端子に接続した場合、アンプの入力切替(セレクター, インプット, INPUTなどと印刷されているツマミ)をチューナーに切り替えなければ、音は出ない。
このケーブルの抜き差しは、端子部を指で強くつまんで、回しながら抜き差しすると良い。決して、ケーブル部を持って引き抜かない様に。

【接続する(2):アンプとスピーカー
再生機の接続が終わったら、次にアンプとスピーカーを繋ぐのだが、その前にアンプの電源コードは抜いておく。また、アンプのボリュームは最低にして下さい。スイッチを入れた途端に、大きな音が出ないように。
アンプとスピーカーは、スピーカー・コードを用いて繋ぐ訳だが、何度も使ってくると、線が絡んでくる。差し込む前に、線を強く捩って、ヒゲがない状況にする。ヒゲが反対の端子や背面のカバーに接触すると、アンプが壊れる可能性があるので、十分に注意する必要がある。アンプには、接続できるスピーカーのインピーダンス条件があり、概ね4Ω以上となっているが、ヒゲがどこかに接触するとショート状態となって、実質:ゼロΩのスピーカーが繋がれた事になるからだ。接続作業の中で、一番の注意事項である。
また、アンプ側のプラスとマイナスをスピーカーのそれぞれの端子と間違えない様に繋げなければならない。逆に接続すると、ボンヤリした音声になる。接続が終わったら、軽くコードを引っ張ってみて、きちんと接続されているかを確認してください。
接続できたら、再生を行ってみて、ガリが出なければ、ボリュームを徐々に上げてみてください。アンプによっては、かなり回さないと十分な音量が得られない場合がある。故障している訳ではない。
ガリが出る場合には、ボリュームの接触不良が疑われます。ボリュームを大きく上げてしまうと、突然に電気信号が繋がって大きな音が出る場合もあるので、何らかの対処が必要です。簡単なところでは、ガリが出やすい場所で、ボリュームを、クルクルと数回、回してください。回復する場合があります。それでも直らなければ、分解してクリーニングするか、部品を交換した方が良いでしょう。正面パネルの隙間から接点復活剤を吹きかけるのは止めて下さい。全く意味がないし、基板を腐食させます。

 

【ダイナミックレンジ
出力される音成分の内、音楽として聞き取れる最小値と最大値を表したもので、大きな数値の方が、規格的には良音である。ノイズが多い機器では、小さな音ではノイズに埋もれてしまう。大きな音は、機器の再生能力の限界を超えるため歪んで聞こえるそうである。そこで、機器の再生能力を表す指標の一つとしてダイナミックレンジが規格化された。
CDの持つ規格的ダイナミックレンジは96dBだそうで、つまりCDを聴く上では、それ以上の性能は無意味という事になるが、SACDなどはもっと優秀な値となっているであろうから、やはりこの数値は大きい方が良い。

 

【チェンジャー
通常のプレーヤーは、1枚のCDあるいは1枚のMDしか装着できない。当たり前だが、その再生が終れば装置まで赴き、メディアを入れ換えねばならない。チェンジャーとは、複数枚(機種により装着できる枚数は様々。多いものでは100枚)を一度に装着し、これらを連続して再生するプレーヤーである。「ながら的」に音楽を流しておきたい場合には、大変便利な機能である。メカ構造も機種により様々であるが、総じて通常のプレーヤーよりも遥かに複雑な機構となり、コストとの兼ね合いからもベルトを多用しているため、故障も多い。中古品を入手する場合には、メンテ済み品に限るでしょう。

 

【チャッキング
一部のコンポやラジカセなどでは、CDを装着して蓋を閉めると、そのまま演奏が始まる。ところが、CDプレーヤーなどでは、トレーをオープンしてその上にCDを乗せるが、このままの状態では、CDがトレーの底面に擦れて回転させる事ができない。トレーが閉まると同時に、機器の内部でCDをトレーから持上げ(あるいはトレーの一部をCDから離して)回転フリーな状態にし、上から磁石の付いた回転盤(機種によっては、下からCDを支える円盤に磁石が付いている)でCDを抑え込む。この一連の動作をチャッキングと言う。このチャッキング動作によって、CDは回転フリーな状態になると同時に、CDとピックアップが、ミクロン・オーダーの精度で、所定の位置関係で固定される。これらの動作は、非常に微妙な力バランスで成り立っており、ベルトやバネなどの機構部品が劣化したりグリスが固くなってくると、力バランスが崩れ所定の位置に上手くチャッキング出来ずに、結果としてCDが認識できないと言う状況となる。

 

【チューナー
一言でいえば、ラジオ専用機能である。コンポなどでは、この機能が一体的に内臓されているが、単体コンポ(プレーヤー、アンプ、スピーカー、等々)では、当然、ラジオ機能はないので、チューナーを別に用意する必要がある。最近では、アンプにチューナー機能を付けたものが多く見受けられる。当然、機種によって受信感度は異なるので、基地局から離れた場所にお住いの場合には、受信感度の高い機種を選択、さらに受信感度を高めるために、長いケーブルのアンテナを用意する必要がある。また、無視できない確率で、受信できないという故障も存在するので、当然の事ながら、中古品を購入する場合には、動作確認済み品を選ぶ必要がある。

残念な事に、チューナーによって使用するFMアンテナの端子形状に違いがあり、同軸タイプなのか、一般的な剥き出し線の差し込みタイプなのかを確認し、これに合ったアンテナを用意しなければならず、ユーザーを困らせている。

 

【ツィーター
※【ウーハー】を参照

 

【デジタル端子】

 

  CDプレーヤーなどでは、それ単体では音楽を聴く事ができないので、アンプなどに出力する必要があり、通常はオーディオ・コードにて接続する。オーディオ・コードで出力する場合をアナログ出力と言う。一方、光ケーブルや同軸ケーブルなどを接続できる機器があり、デジタル出力と言う。音質的には、デジタル出力の方が高音質と言われているが、アンプ側にこの入力端子が必要となる。一般のアンプには装備されていないので、「DAC」(Digital to Analog Converter)という機器を介在させねばならない。「ONKYO/FRシリーズ」やMDデッキの多くは、この入力端子を持っている。
もともとCDはデジタル音源であるが、これをMDデッキに録音する場合、CD:デジタル→CDプレーヤー出力:アナログ→MD:デジタル→アンプ:アナログと何度も変換するので、音質劣化は避けられない。CDプレーヤーに光出力があるのであれば、MDデッキとは光ケーブルで接続すると良いだろう。

【トレー】

 

  CDプレーヤーなどの、メディアを乗せる部分であり、機器により、構造の違いがある。閉じてから、CDを持上げて固定するタイプ(最近の機種の殆ど)、CDを押し下げて回転盤に固定するタイプ(1980年代の機種に多い)、CDは動かさずに、ピックアップが近づくタイプ(固定式と言われる)などがある。トレー部にピックアップが装着されている場合もあるが、これはどうかと思う。注意しないと、CDの端でピックアップを痛めてしまうので、注意が必要。
通常は、デザインされている面を上にして乗せるが、機種によっては反対の事もある。当然の事であるが、CDをトレーの中心にきちんと乗せないと、上手く再生できないし、CDを傷つけてしまう事もある。
トレーの開閉状態は、その機器の状況を知る上で重要であり、これがスムーズで無い様であれば、トレーの駆動ギアに破損(割れ)が生じているか、グリス不足、ベルトが伸びているか。いずれも、故障が間近に迫っている。

【バスレフ型/方式】
※【キャビネット】を参照

 

【バナナ・プラグ】

 

  スピーカー・ケーブルは、通常は線を剥き出しにして、アンプとスピーカーのそれぞれの端子に挟み込む。一見問題なさそうである。ところが、これらは背面にあり、作業場所も狭いし、暗い。やもすれば、しっかりと固定されていない場合もあるし、抜き差しが多い場合には、さらに面倒でもある。そこで、接点を「バナナ・プラグ」という接点部品を使って、効率よく確実に接続できる方法である。但し、接続するにはバナナ・プラグ対応の端子形状である必要がある。比較的大きなネジ式で、中心部に穴が開いていれば、概ねこの兼用タイプであろう。

【光ケーブル】

 

  機器間の音声信号をデジタルのまま伝達する接続方法の一つで、高音質、外部ノイズに強い、ケーブルの抜き差しによる故障が少ないなどのメリットがある一方、曲げに弱く、一般的には15cm以上の円形を保ちながら束ねる必要がある。RCAタイプ(赤白ケーブル)程には普及しておらず、接続端子を有していない機器が殆ど。デジタル伝送の方式として、同軸ケーブルを用いる方式もあるが、さらに一般的でない。

【ピックアップ
「ピックアップ」という言葉は、「拾い上げる」という意味の一般用語であるが、オーディオでは、CDプレーヤーやMDデッキなどに組み込まれている、メディアに書き込まれている音楽情報を読み取る部品の事である。レーザーを発光し、メディアに反射して戻ってきたレーザーを解析して音楽情報として取り込む。メディアが汚れていたり、傷が付いていたりすると、誤った音楽情報となったり、更に悪い状況では「音飛び」や「ノイズ」が現れ、最悪の事態として読み取れないという状況になる。また、ピックアップが劣化すると、発光するレーザーが弱くなり、同様の症状を起こす。その確率は、五分五分。「音飛び」や「ノイズ」が出たら、先ずはメディアを疑うべし。CD-Rであれば尚更。
ピックアップ本体や回路基板には、VR(可変抵抗器:Variable Resistor)と言う部品が付いている場合があり、レーザー出力やレーザーの焦点などを調節する事が出来るが、何分にも目で見ても調整の程度が分からないため、最適値を見出すのは難しい。【VR】の項も参照。
困った事に、機種によって、ピックアップの種類は異なるので、修理屋にとっては、とても厄介な部品である。

 

【品質】
オーディオ機器の場合、機器の価値を判断する要素に、「品質」「性能」「機能」「信頼性」がある。ここでは、「品質」について述べるが、合わせてそれぞれの項も参照願いたい。
品質保証とは、メーカーが定める性能や機能などが、出荷時に一定の基準を満たす事を保証する事である。また、品質のレベルは、ユーザーが感じるところではなく、メーカーが自身で定めるのである。品質を保証するための検査項目やそのもまた、メーカーが独自に定める。品質管理とは、メーカーが定めた品質基準を満たす製品しか出荷しない様なシステムを構築し、これを維持する事である。しかしながら、不良品が市場に出回るのを完全に排除する事は不可能(市販のCDやDVDにも不良品が存在する事が分かっている)であり、市場に出回る不良率もまた、メーカーによってそれぞれに設定されている。
間違ってはならないのは、高品質≠高性能、多機能、高信頼性という意味ではない。

 

【複合機

 

  複数の機能を併せ持っている機器の事で、サイズも小さくなり、セットを揃える費用も安くて済むので、大変便利である。一番多いのが、CDチューナー・アンプ。つまり、CDプレーヤーとチューナーとアンプの機能を持っている機器である。これにスピーカーを付ければ、CDとラジオを聞くことができる。iPodなども接続して、スピーカーで聞く事ができるようになる。これにMDデッキ機能を加えたのがCD/MDチューナー・アンプ。
各機能の接続が機器内部で行われているので、配線もシンプル、操作も各機能が連動するので、便利。良い事ずくめである。唯一の欠点が、どれかの機能が故障した場合に、その部分だけ入れ替える事が出来ないため、CDプレーヤー部が壊れたら、正常なアンプやチューナーの部分も含めて買い換えねばならない。さもなくば、専用のCDプレーヤーを付け加える事で機能的な問題は解決するが、機材が増えなんだか気分はスッキリしない。

【ベルト】

 

  動きがある機器、例えば、CDプレーヤーやカセット・デッキなどでは、コストの関係から、ベルトが多用されている。1980年代の機器では、丈夫で凝ったベルトを使っている場合もあるが、通常は、細い(概ね1.2mm~1.6mm角)ゴム製のベルトである。当然ながら、数年も経てば、伸びたり変形したりして、正常な動作ができなくなる。輪ゴムを引っ張った状態で1年間放置した状態を想像して頂ければ分かり易い。ベルト自体の性能差に加えて、メカやグリスの状態でベルトへの負荷も変わり、使用頻度でも劣化の程度は異なるので、その寿命を推測する事は極めて難しい。昨日まで動いていたのに、いきなり動かなくなる事も、珍しくない。従い、中古品を購入する場合、ベルトを新品に交換してある個体は、信頼性が高い。

【密閉型/方式
※【キャビネット】を参照

 

【ミニ・プラグ
ポータブル・プレーヤーのイヤホンに良く使われる形式の接続端子で、ステレオ・タイプとモノラル・タイプがある。また、この形式のシステム接続ケーブルも良くみかける。

片方がミニ・タイプ、もう片方がRCAタイプのケーブルを用いて、ポータブル・プレーヤーのヘッドホン端子とアンプの「AUX」または「LINE」入力端子を接続すれば、ポータブル・プレーヤーで再生した音楽を、ステレオ装置のスピーカーで聴く事ができる。もちろん、アンプの入力切替スイッチを「AUX」または「LINE」にして下さい。

 

【メガネ(電源コード)】

 

  一般的には、電源コードは本体に直付けされているが、抜き差し可能なタイプも少なくない。当然の事だが、その場合には、形状を合わせる必要がある。パソコンなどの場合には、100Vを調整するアダプターが付いているが、オーディオの場合は、電源を繋ぐだけなので、形状さえ合えば、他の機種から流用して使っても問題は無い。幾つかの形状があるが、写真にあるような「メガネ」と言われる形状が主流である。但し、「メガネ」にも大きさの違いがあり、少々注意を要する。

【メンテナンス
何をどうするか、特に決め事など無く、その人それぞれ。弊方では、クリーニングをメンテナンスとは言わないし、修理だけ行う事もメンテナンスとは表現しない。「正常な動作を将来にわたって維持するための作業」とでも表現したら良いだろうか。従って、メンテナンスを行うには、将来の故障を予測する能力とその故障要因を排除する技術と知識が必要になる。
オークションなどでも、「メンテナンス済み」と言いながら「ノークレーム、ノーリターン」とある場合には、そのメンテナンスの内容と程度には疑問が残り、信用できない。そもそも、メンテナンス【maintenance】とは、「維持、保守」と言う意味である。動作保証しないならば、メンテナンスと言う言葉を使ってはいけない。つまりは、落札金額吊り上げのための方便である。注意すべし。

 

【ユニバーサル・プレーヤー
ユニバーサル・プレーヤーとは、1台の機器でBD/DVD/DVD-AUDIO/SACD/CDなど、複数の種類のメディアに対応しているプレーヤーである。英語の「universal」を日本語に直訳すると「普遍的」と意味で、本項の定義内容と少しイメージが異なる。安物のDVDプレーヤーでもCDを再生できるが、ユニバーサル・プレーヤーとは言わない。また、どのメディアが再生可能かどうかの明確な定義も無い様に思える。これまでの印象では、「DVD/DVD-AUDIO/SACD/CD」が再生できるプレーヤーの事か。また、メーカーによっても「ユニバーサル」という言葉を使わない場合もある様だ。
規格が異なるので、再生時のメディア認識方法もそれぞれ異なる。各機器の内部にメディア確認の順番が設定されており、どの種類をセットしたかで、演奏時間が表示されるまでの認識時間も異なる感じ。つまり、最初はBDとして再生を試み、読み取れなければDVDとして再生を試みる。最後のCDの設定にたどり着くには、それなりの時間を要してしまう。これが、DVDプレーヤーの読み取り時間が遅い原因であり、決してピックアップが弱くなっているからではない。メディアの認識順番を設定できれば、多用するメディアから優先的に認識していくので、読み取り時間(=待ち時間)も短縮されるのでは。
尚、CDとCD-Rとは、工業製品であるか個人で作成したものであるかの違いはあっても、規格的な違いはないであろう。

 

【輸送ロック
ピックアップには、いくつかの種類があるが、一時期流行った種類がリニア式である。ギアがないので、非常に俊敏な動きをする。1曲目を聴いていて、最終曲を選曲しても、サーチに1秒も要しない。手で動かしてみると、何の抵抗感も無く、ピックアップが軽く移動する。しからば、長時間にわたり輸送中の細かな振動が加われば・・・。これを防止するのが「輸送ロック」である。当然、「輸送ロック」をしたまま再生しようとしても、正常には再生できませんね。なにせ、ピックアップがロックされている訳ですから。

 

【リミットスイッチ/リーフスイッチ
例えば、トレーを開く動作をさせる場合、開き切った状態で、モーターを停止させる必要がある。いつも同じ位置で停止させるために、ストッパーが設けられている。そして、ストッパーに当たると、駆動モーターを停止させる。モーターを停止させないと、ベルトにいつまでも負荷がかかり、伸びたりツルツルになってしまう。このモーターを停止させるタイミングを検知するのがリミット・スイッチである。CDプレーヤーであれば、トレーの開く動作、閉じる動作、ピックアップの移動動作の3箇所にリミットスイッチがあるが、カセット・デッキやMDデッキなどは、メディアの「録音ロック」などの状態を検出するスイッチもある。メカに異常な力が加われば、リミット・スイッチが変形して正常に動かなくなるし、接点が経年による接触不良となれば、やはり正常動作しなくなる。意外とこれが故障の要因となっているケースは多い。

 

【レシーバー/チューナー・アンプ
「レシーバー」とは、チューナー機能を内蔵したコンポ・タイプのプリメイン・アンプを指す事が多く、「チューナー・アンプ」と同義語。さらに「CDプレーヤー」の機能が付けば「CDレシーバー」(CDチューナー・アンプ)と呼ぶ。背面には様々な入出力端子を備えている場合が多く、CDプレーヤーとしても、アンプとしても単独使用する事ができる。

 

【ローディング
メディアを機器内に取り込み、所定の位置で固定させる動作をローディングと言う。ローディングが上手くいっていなければ、当然、正常な再生動作は始まらない。ところが、メディアが機器内に入ってしまうと、その後に所定の位置まで正常にローディングできているのかどうかは分からない。「再生できません」の半分の要因はローディング不良、半分はピックアップ系の不良である。どちらに原因があるのかは、中を見てみるのが一番確実だが、慣れてくると、音を聞くだけで大凡の推測ができる。メカであるが故に、小さいながらも、あちこちで、様々な音を発している。勿論、「ギギッ」などの大きな音がするのであれば、故障しているか、故障が間近に迫っている事は間違いない。

 

【ワウ・フラッター
CDやカセット・デッキなどでは、再生するメディアを回転させ、音楽情報を順次読み取る。従い、これを読み取るピックアップやヘッドの性能は極めて重要であることは、想像の通り。ところが、メディアの回転精度が不十分であれば、いくら優秀なピックアップでも、再生される音楽は歪んで聞こえてしまう事も容易に理解できる。最近のCDプレーヤーの「ワウ・フラッター」は「測定限界値以下」となっており、通常はこれを意識する必要もないだろう。ところが、カセットデッキは、複雑なメカになっているため、機器によってこの「ワウ・フラッター」の違いは大きい。加えて、保管していたテープが歪んで(この状態をワカメと言う)いたりすれば、同様の症状となるので、原因の切り分けは難しい。

 

【2way(ツーウェイ)】
※【ウーハー】を参照

 

【CD-R
自分でCDを好きな様に自作できる便利なメディアである。CD-R, CD-RW, 音楽用CD-Rといくつかの種類がある。CDレコーダーを使用するよりも、パソコンを使用した方が、編集も自在なので、こちらがお薦め。勿論、音楽用CD-Rを自作するなら、音楽用CD-Rが一番トラブルが少ない。ところが、業務用の機器と違い、CDへの焼きが甘い傾向にあり、更にレコーダー機器のピックアップが劣化すると、さらに甘くなってくる。焼きが甘いCD-Rでは、これを読めるCDプレーヤーと読めないCDプレーヤーが出てくる。レーザー出力の強さと機器特性の違いである。これらの違いは明確には判断できず、「CD-Rは保証外」と言われる所以である。弊方では、これを逆手に取って、CD-Rの読込状況を、ピックアップの状態把握に利用している。つまり、傷の多いCD-Rが読めれば、ピックアップはかなり良好な状態であると。

 

【CDチューナー・アンプ(CD複合機)】
※【複合機】を参照

 

【DVDチューナー・アンプ(DVD複合機)】
※【複合機】を参照

 

【RCAコード
※【オーディオコード/RCAコード】を参照

 

【SACD
※【スーパーオーディオCD】を参照

 

【S/N比
再生される音楽に対するノイズの程度を表し、数値が大きい程、ノイズが少ない、つまりより良質な音。通常の装置と音量で聴く場合には、90dB以上であれば、実用的に問題はないであろう。90dBと100dBの違いは、余程の高音質録音の音源で無ければ、聴いていても、殆ど違いが分からない。そもそも、オリジナル音源にもノイズ成分が含まれるからである。90dBの音源を、100dB以上の装置で再生しても、総合的に90dB以下の音楽として出力されるに違いない。

 

【VR(可変抵抗器)
VR(Variable Resistorの略)とは、文字通り、電気回路内において、抵抗値を変える(V=IR・・・Vが一定であれば、Rの変化量に応じてIが変化する)事で、より最適な設定値を得る事ができる様に設置された小さなボリュームである。つまり、経年劣化や部品の個体差によるシステム設定値からの変動差を、この値を調整する事で、最適値(=設計値、目標値)に設定・調節する。
VRには、「Tracking Gain」,「Focus Balance」,「Focus Offset」,「EF Balance」など、沢山の種類があり、またメーカー等によってその表記が異なっていたり、表記されていない場合もある。そもそも、サービス・マニュアルを片手に作業する事を前提にしているだろうから、メーカーにすれば表記する必要もないのだろうが。
当然のことながら、その最適値は、技術マニュアルに従い、測定器を用いながら調整する事になり、素人が目で見て「これが最適値」と確認する事は難しい。弊方もしかり。そこで、これを調節する場合には、僅かな動作の変化や音調の変化を感じ取って最適値へと導く事になるのだが、残念ながら、唯一のよりどころは「経験と勘」。なんとも頼りない所である。

 

【番外編:仕様に使われる数値について
製品仕様などで使われる数字についてだが、例えば「歪率:0.2%」と「歪率:0.20%」の違い。数学的には同じ意味。ところが、規格的には、0.15% ≦ 0.2% ≦ 0.24%であり、0.195% ≦ 0.20% ≦ 0.204%となり、後者の方が数値に対する信頼性がより高いと言う事になる。



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