徒然草・・・メンテナンス屋の独り言

前書き メンテナンスのポイント ピックアップの調整について
未整備品について エージング/改造について 外観メンテナンス
動作保証期間の延長について 取り扱い説明書用の添付・ご提供  
                     【 BGM調整はこちら

 

中古の商品・・・それは、製造されてから長い年月が経ち、その間の使用状態、保管状況、故障履歴などは、当事者以外は、誰も知る由も無い。現品から、これらの全てを推察するしかない。長くメンテナンスを経験していると、カバーを開け、トレーを開閉させ、CDの読取状況を見るだけで、故障原因の大凡の見当は付く様になる。また、埃の付き具合、配線処置の塩梅、ネジやシールなどの状況、そして、各メカの動きをみれば、これまでの状態がおおよその見当がつく様になる。一番悩ましいのは、既に修理の手が入っており、部品が破損していたり、欠品している場合である。見慣れた機器であれば、部品の修復や補充は容易だが、チェンジャーなどの複雑なメカの場合には、部品の構成や形状、駆動のタイミングなどを考えながら、どこがおかしいのかを見つけ出さねばならず、修理も容易ではない。正直なところ、経験も少なく不得意分野である。これを書いていて、「Nakamichi」のチェンジャーが数年来放ったらかしの事を思い出した。結局、修理完了の確率と経験数は、間違いなく比例する。それでも、徐々に勘所が分かる機器が増えているのは、嬉しい。

分解トラップ・・・ご存知だろうか、「ONKYO/FR」をお持ちの方。本体を裏返してみて、トレー・メカを止めている4本のネジの内の1本に、黒いキャップがついている事を。4本のいずれかにも黒いキャップが付いていない場合は、誰かがこれを一度修理している証拠である。メーカーによる分解トラップである。「BOSE/AMS-DMC」などは、シールを剥がさないとネジが外れないようになっている。これまた、トラップであろう。他にも沢山ある。このトラップに気付いて元通りにしたり回避したりしながら完全修復するかは、まさにメンテナンス屋の腕の見せ所であろう。と言っても、既にメーカー修理対応期間が過ぎている場合が多いので、単なるコダワリでしかないが。最も厄介なのが、仮組トラップというか、仮組では正常に動作しない機器達である。仮組で電源を入れた途端に回路を壊してしまうケースもある。まさに経験と勘だけが頼りである。

 

弊方のメンテナンスでは、「持病持ちの機器達」に該当する機種であるか、あるいは、構造的に不具合が出やすい部品を使用しているか、CDやMDの読取時間やCD-Rが正常に読み取れるかどうか、動作中に擦れるような異音は出ていないか、読み取る時のピックアップの動作はどうか、等々。これまでの修理経験を通じて、「これからできるだけ長い期間、正常に動作するように」との思いで、メンテナンスを行っている。ボタン操作やトレーなどの動きに、一度でも不具合的な症状が見られたら、それに対して対処する。

 

正常に動作するだけでは、何が不安なのか。それは、中古品故に、いつ故障するかが全く不透明だからである。新品でも故障は起こり得る。だから1年間の保証書が付いている。中古品であれば、尚更、その確率が高くなるのは当然である。「正常に動きました」は、今の事であって、明日の事ではない。機械は、必ず壊れる。それがいつかは、「神のみぞ知る」

メンテナンスを行い、数時間の試聴や動作確認を行い、梱包前にも最終の動作確認を行ったにも関わらず、お客様のお手元に届いた時に、不具合が発生する事もある。当然、輸送中の振動や衝撃等、新たな故障要因が加わる事もあるだろう。それが、中古品の実態である。明確なデータを持っている訳ではないが、相性(MDのメディア種類、CD-Rのメディア種類や録音状況)、電源経路、気温差などへの対応力も弱くなっている気がする。

時々、「発売年がCD-Rの開発時期より早いので、CD-Rは読めない」というコメントを見かけるが、多くの場合は誤りと思われる。単に、ピックアップが劣化しているに過ぎない。あるいは、手持ちのCD-Rに問題がある事も多い。お手持ちの機種をヤフオク等で検索してみて、出品コメントを見て欲しい。「CD-Rも読めました」とある事が多い筈である。参考までに、CD-Rは、ピックアップに高いレーザー出力を要求し、ピックアップの寿命を縮めるので、使用は控えた方が良いとの情報もある。それは、そうかも知れない。市販CDは難なく読み込むが、CD-Rは読みにくいと言うケースが多々ある。

弊方では、ピックアップの交換品が手元にない場合には仕方がないが、手持ちにある場合で「CD-Rが読めない」時には、ピックアップを新品に交換する。CD-Rを読める様にするためではなく、市販CDの読取能力を改善するためである。加えて、ピックアップを新品にした場合、多くのお客様から、音が良くなったと報告がある。読取精度が向上し、データ補正の無い原音だからであろうか。どうも、事実の様である。

『動作保証』もなかなか容易ではなく、それなりのリスクへの覚悟と出来る限りの予防処置が必要になってくる。

 

 

メンテナンスのポイント

 

弊方で注意しているメンテナンスのポイントは二つ。

一つは、当該機の特性(将来的に故障し易い箇所や持病と言われる故障要因)を十分に把握し、これらの故障要因をできるだけ除去する事。過去には、ピックアップ下のリミットスイッチのクリーニングを面倒を理由に怠った時期があった。その結果、見事に不具合が発生し再修理。それ以来、手抜きのメンテナンスは自分の首を絞めると知る。

もう一つは、当該個体の状態を十分に観察し、故障の気配が出ていないかを観察する事である。弊方がメンテナンスを始めてから数10年が経過するが、当初よりも格段にトラブル頻度は低下している。梱包仕様が改善されている事も起因しているが、それ以上に、いかに将来の故障を予知し、その不具合発生の可能性を抑え込むかにあると思っている。メンテナンスが終れば、CDを再生しながらメカ組立作業を行う。時間セーブもあるが、作業中の振動がCD読取に与える影響を見るためでもある。クリーニングもしかり。CDをかけながらケースをゴシゴシやる。これも実際にあった話だが、梱包前の動作確認にてトレー開閉の不具合が発生。何度か開閉動作を行っている内にスムーズになった。「もう大丈夫」とそのままで発送。これまた、お客様の手元で見事に再発し、再修理。

しかしながらビジネスである以上、時間を含むコスト要素も無視できない。弊方の販売品に「ベルト交換していません」というのは、正にこの理由によるものである。また、ピックアップの交換も最小限に控えている。ピックアップは高額であると共に、純正品と比べれば信頼性も劣ると思うから、お客様への提案は薦めていないが、ベルト交換は1,000円(CD専用機)~1,500円(複合機)にて積極的に薦めている。修理をお受けした場合にはこの作業は必須としている。ちなみに、弊方でベルト交換する頻度は約50%程度。未交換の場合に追加費用によるベルト交換の実績は約15%。ベルト由来の故障率は高く、この課題をどう克服するかが、今の一番の悩み。

他の出品者で時々見かけるのが、「メンテナンス済み」とか「オーバーホール」とかの表現を用いて整備状況が良好である事をアピールする場合があるが、実は殆どの場合は疑わしい。単に故障個所を修理したに過ぎない。100人の修理屋がいれば、100通りのメンテナンス方法がある。そもそも個人では、「オーバーホール(=初期の性能を維持するために、全ての部品を検査し、性能的な劣化が見られたら新品と交換する)」は到底不可能であり、メーカーに修理に出すにしても、不具合箇所を修正するだけ。コンデンサーは、基板から外して個別に検査しなければならないが、基板から外して再装着する作業において、端子から熱が内部に入り込み劣化を促進してしまう。時には、この作業が故障の原因ともなる。また、「ハンダ割れを補修した」とか「接点を磨いた」とか誇張しているが、単なる修理やクリーニング作業であり、これもメンテナンスとは言わない。少なくとも、メンテナンスとは現在は正常であっても近い将来に発生する可能性のある不具合を排除する作業であり、修理作業とは根本的に目的が異なる。ある程度の知識を身に付けると、どんな作業をしたかでこれらの表現の実態が見えてくる。

 

 

ピックアップの調整について

 

「音飛び」や「認識不良」の原因は多々あるが、ピックアップに問題が場合がある。その際には、積極的にピックアップの調整を行っている。CDを読み取る時の状況を観察し、その機種特有の動作にも配慮しながら、最適値を探す。ピックアップや機種の違いによっては、ピックアップが音を発する。通常では、ピックアップがCDを認識して回転を始め、所定の回転数に達すると小さく「ポー」という音を発生し、CDの回転を止める。この状態(CDが回転する前に何度かひくつく、異音がする、回転が止まるまでの時間が長い、回転数が異常、等々)以外では、何らかの不具合を含んでいると判断する。
機種により、読み取り動作が異なるので、混乱する事もある。デノンなどは、中心部でTOC情報を読み取った後、外に向かって移動し、再度中心部に戻る。レール上のグリスを均一化しようとしているのか。DVDプレーヤーでも、この様な動きをするものがある。様々な機種での経験を積み重ねると、CDを認識するまでのピックアップの動作やCDの回転する様子を観察すると、正常(=良好)かどうかの区別もつく様になる。勿論、読取状況が良好と思える場合には、現状のままとする。
それでは、測定器を持たない現状において、どのようにして調整する、あるいは最適値を見つけるか。基本は、傷だらけのCD-Rの読取状況である。これがスムーズ(読取時間:1秒以内)に読めれば、まずは健全性が確保されたと思う次第。もちろん、この調整が終れば、数枚の市販CDを読み込ませ、その読取状況も確認する。市販CDが読めてもCD-Rが読めない場合はあるが、CD-Rが読めて市販CDが読めないケースは稀である。
ネット情報では、VR調整を行い、「ピックアップの寿命が短くなった」とのコメントが見受けられる。将来予測についての正解はないし、個体差も存在するので良く分からない。少なくとも、現状において、ベストなバランス(最適な再生状態)を得る事は、更にピックアップの劣化が進行したとしても、バランスを崩す状況(読取の不具合が発生する)に至るまでには、未調整の場合と比較して、期間的余裕が生じる(長持ちする)と思っている。加えて、調整時には、今後の調整代にも余裕がある場合とし、限界値に達した場合には、仮に正常に再生できたとしても、新品交換する。近い将来の故障リスクが怖い。「動作保証期間が過ぎた途端に故障した」では、仕方が無いとするにはちょっと悲しい。

 

 

未整備品について

 

弊方での技量不足により、電気回路的なメンテナンスは行えていない。一部の専門業者を除いて、他の方も概ね同様であろう。コネクター等の分解・組立は、回数を重ねる分だけ接触不良を発生させるリスクは高まる。汚れているからと言って基板の洗浄は、余計な故障を誘発させるだろう。中にある沢山のコンデンサーは、いわば電池と同じ役目をしており、微量とは言え電気を蓄えている。従い、水などをかければ、一時的にショート状態で電気を流してしまう。これが、他の部品への不測の故障を起こさないとも限らない。静電気を嫌うのも、当たり前。メンテナンス屋のつもりがデストロイ屋になってしまう。

従い、アンプ、チューナー等は、内部的なメンテナンスは行わず、回路の目視チェックのみである。スピーカーは、分解も行っていない。昔のチューナーの様な、メカ的な部分を有する機種には、グリスを塗付し、動きをより滑らかにする事はある。もちろん、故障していれば、それなりの対応はするのだが。

ならば、どうやって動作保証するか。ひとえに、各ボタンの動作確認を行い、なるべく時間をかけ、出来るだけの変化を加えた条件下での音出しチェックである。メンテナンス以上の時間をかけて、長時間の音出しチェックで、自分を納得させるのである。長時間チェックしたからといって、新たな不具合を見つける事などないのだが。それでも、自分が「ヨシ!」と思うまで行う。

そもそも、長く使用していなかった機器は、経年劣化が進んでいる。特に動きのあるメカ部においては。基板内のコンデンサーは完全放電状態、接点には錆や汚れが付着し、これが一時的な症状あるいは致命的な故障に至る。数時間でも、回路に電気を通し、接点に刺激を与えれば、動作が安定方向に向かうのは、中古品を扱った方々には、もはや常識だろう。しからば、あちこちのボタンを触り回り、時間をかけて(少なくとも1時間以上)聴き続けるだけでも、意味があると思う次第。

 

 

エージング/改造についての私見

 

エージング:語源は「Age」、つまり年齢です。オーディオでは、機器が本来の期待される音質に達するまでの期間、鳴らし動作を行う事です。スピーカーのエッジ部分や真空管などの一部の部品には物理的変化として存在すると思いますが、コンデンサーにおいてはどうでしょう。各メーカーが、音質の良し悪しを激しく競う中、そして信頼あるメーカーの製品が、ユーザーの手元に届いても尚期待する性能が発揮できていない現実などあるでしょうか。ちょっと信じられません。私がメーカーのエンジニアなら、最高性能を発揮するまでにエージングが必要なら、それも製造工程に組み込み、エージングを終えてから出荷する。その方が、性能設計よりもより確実でより高信頼性だから。そもそも、コンデンサーとは電気を蓄える電池の様なもので、長期信頼性の違いはあれ、電気信号の違いなど存在しない。容量が大きい(=サイズが大きい、=内部抵抗が小さい)と、より大きな電気信号(=エネルギー、=「V=IR・・・電圧(V)が一定ならば抵抗(R)が小さい程電流(I)は大きくなり、エネルギー(W=VI)が大きい」)が得られる、という違いはある。確かに、新品開封直後の(あるいは暫く使っていなかった)状態では、コンデンサーが十分に充電されておらず、満充電(=性能をフルに発揮する)までに時間を要する事はある。もちろん、コンデンサー内部にも物理的変化が生じており、それは必ず劣化の方向に向かう。ならば、コンデンサーにエージングが必要とは、どの様な理論に基づくものでしょうか。あるとすれば、基盤内で充電する(満充電になる)までの時間差はあるでしょうし、音質的なバランス差もあるでしょう。以前にコンデンサー・メーカーに勤めていたが、エージングと言う言葉を使った事は無いし、使用を始めた時から劣化が進む(電極の隙間に電子の代わりをするイオンが詰まる=自由に動けるイオンの数が減るため、容量が小さくなり内部抵抗が大きくなる)のがコンデンサーである。高級コンデンサーとは、性能が熱や湿度等の環境に左右されにくく、長期にわたり初期性能が維持される事であり、内部抵抗が小さいために大電流を取り出せるという事である。
「脳」にエージングの機能がある事は、周知の事実である。悪臭も時間が経てば気にならなくなる。ところが、携帯電話の電池を新しくしたり、暫く使っていたら、音声が良くなったとか、数日経ったらテレビやビデオカメラの映像が綺麗になったとか、聞いた事がない。似たようなコンデンサーを使っていながら、何故、オーディオ機器だけエージングが必要なのだろう。

 

改造についても、同様。弊方では、改造できる程の技量は持ち合わせていないし、興味もない。そもそも、それぞれのメーカーが、長年にわたる経験によって積み上げてきた回路技術(コストダウンの要因は除く)が、僅かな経験に基づいた素人的な知識だけの改造に負けてしまうのでしょうか。これまた、信じられません。低音域は、高エネルギーが必要なので、コンデンサーの大型化は理論的にも納得です。但し、回路バランスが崩れる(回路に高い電流値が流れる)ので、信頼性や寿命と言う点では不安(と言うかマイナス要素)です。ハンダ付け不良も怖いし、作業中のショートも怖い。何より、コンデンサーは熱に弱い。改造を施した場合に、「次元が異なる音」とか、「透明感が増した」とか、「厚みが増した」とか、・・・。人間の耳は、測定器ではありません。ご自身の満足度が向上したと言うのは間違いのないところの様で、その意味では「有り」かも知れません。

 

このエージングや改造には、音質的には、良い方向(コンデンサーの容量などのコスト的な要因を改善)に向かう事もあるだろうが、悪い方向に向かう事もあるでしょう。例えば、スピーカーのエッジなどは、組み立てた時は良いが、暫く使うとノリが均一に塗られていなくて一部が剥がれてくる事もあるだろう。コンデンサーなどは、電気回路の重要な要素であるにも関わらず、基本設計を知らずしてこれを変更する事は、極めて危険であり改悪になる可能性もある。端子部のハンダ付け不良によって抵抗を減らしたつもりが、実は増加させてしまう。ネット情報でも、コンデンサーを変更したら動かなくなったという記事も見かける。ところが、エージングをして、改造して、音が悪くなったという話は、聞いたことがない。これだけでも、いい加減な感想であると思ってしまう。「パチンコに勝ったという話は良く耳にするが、負けたと言う話はあまり聞かない」と似ているでしょうか。
どこかの記事で、市販のCDとCD-Rの音質的な違いを科学的に検証していた。結論は、CD-Rは音質劣化するというもの。本当だろうか?確かに、CD-Rで再生された音声情報は、市販CDよりも劣化していた。ところが、この記事には、ピックアップ性能やDAC仕様については全く触れていない。CD-Rが市販のCDと全く同じ状態で記録されているなら、その情報はデジタル故に違いは理論的にも存在しない。そこにあるのは、CD-Rの録音状態が市販CDよりも劣っているため、ピックアップ制御やDAC仕様でデジタル情報が補正されているからだと思われる。DACを交換すれば、出力されるアナログ音質は間違いなく違って来る。

 

余談ですが、こんな話があります。ほんの僅かな色違いの赤い紙が2枚。この2枚の紙を並べておくと、その色違いはすぐに分かる。これを別々に見せると、同じ色に見えてしまう。あるいは、ガラス・コップを壊す音を録音し、この録音した音をボーズで再生する。実際の音と録音された音を同時に鳴らすと、その違いは分かる。ところが、録音された音だけを聞くと、そばでガラスが本当に割れた様に聞こえてしまう。これが、人間の脳の情報処理のスゴサであり、いい加減さでもある。

 

あくまでも私見であり、確かな理論に基づいている訳ではないが、これらに対する考え方を変えるつもりは毛頭ない。従い、本件に関わる反論はお断りです。そもそも、食べ物に好き嫌いがあるのと同じで、音質に対する印象は、人によって様々。だから、様々なメーカーが存在する。ベース的な性能、例えばレンジが広い(超高音域や重低音の再生能力)とか、透明感(ノイズが少ない)とか、メリハリ感(音程変化に対する追従性)とかは、機器によって違いはあるでしょうが、「改造して、エージングで、音が良くなった」的な論議は、その殆どが、自己満足でしかないと思う。かかる論議より、機器同士の相性やスピーカーのセッティング、接続や電源系統の見直し、機器やメディアを大切に扱う心構えの方が、音質や故障に与える影響は遥かに大きいと考える。メンテナンスを施した製品をお買い求められたお客様より、「音が良くなった」、「これならコンデンサーを交換する必要が無い」などとの声がある事は事実である。先ずは、お手持ちの機器の実力を最大限に引き出し、鑑賞される環境を整える事が先決であると思う次第。世の中には、自身が知らない沢山の音源が確実に存在する。あるいは、年齢を重ねるにつれ、嗜好も変化する。装置云々よりも、より自分に好ましい音源・楽曲を探す事の方が、より豊かな音楽生活を満喫できると思われる。

 

【ご参考】コンデンサーの主な特性は、定格電圧(耐圧), 容量と内部抵抗です。定格電圧とは、長期信頼性を一定の条件で満足できる最大の印加電圧です。耐圧を越える電圧を印加すると、コンデンサーは急速に劣化します。定格以下の印加電圧であれば、長期信頼性は向上します。容量とは、満充電状態から放電を始め、一定値まで電圧が降下するまでの時間を表します。コンデンサーは、電池と比べて数百分の一程度の容量しかありません。一方、電池と比べて数百倍の繰り返し充放電が可能で、次に説明する内部抵抗は数百分の一です。大きく分類すれば、コンデンサーと電池は同じです。余談ですが、電池の残容量とは、この電圧の下がり具合を測って、%表示しています。内部抵抗は、取り出せる電流値に反比例し、概ねサイズが大きい(=電極の表面積が大きい)ほど内部抵抗は小さくなります。内部抵抗が大きいと回路に流れる電流値は小さくなり、内部抵抗が小さいと大きな電流が回路に流れます。全体の回路内に流れる電流値が一定であれば、内部抵抗の小さな部品に大きな電流が流れ、それ以外の回路では小さな電流しか流れません。従い、設計値と異なる部品に交換した場合には、回路に流れる電流のバランスが崩れる事になります。

 

 

外観メンテナンス

 

弊方では、補修剤や補修ペンなどを使った薄いスリ傷等の補修、凸凹の補修、研磨剤やシルコット、ワックス等を使っての汚れ落としや磨きなど、外観補修やクリーニングは積極的に行っている。全体写真には、殆ど傷は写らない。角度によっては、光の反射で見事に隠れてしまう。弊方でも、なるべく傷の程度や場所、詳細写真を掲載するなどしている。写真にも写らない、コメントにも記載しない様な小さな傷でも、できるだけ目立たぬように補修する事は、お客様にとってメリットであると信じている。加えて、修理不能品から、カバーや正面パネル、ボタン等を入れ替える事もある。僅かでも、程度の良い物を提供したいと思うから。でも悲しいかな、これらは全て自己満足であって、外観と販売価格は、必ずしも連動しないのは、残念。

 

外観の程度として、「極美品」、「美品」、「ギリ美品」、「良品」、「ギリ良品」、「並上品」、「並品」、「並下品」とランク分けしている。やもすれば、「なるべく上等の評価をしたい」と思うのは、人としての性ではあるが、そこは冷静に判断。最後には、現品がお客様の手元に届く訳だから、過大な自己評価は禁物。これは、購入者の過大な期待と同様。無用なトラブルの原因と思うべし。「商品説明」でもできるだけ統一した表現を使用しており、「それなり」とは多少の傷があり、「まずまず」の方が程度は良い。「美品です」と言い切れば美品の中でも上位で、程度は一番良く、次いで「美品レベル」が中間、「美品で良いでしょうか」は「美品」でも下位のレベルとしている。
お客様からの過去のコメントに「美品は言い過ぎ」とあったが、上述の通り、あくまでも「85~95点」の間を「美品」と評価しているだけで、「傷一つなく綺麗」とは限らない。あくまでも程度の問題である。

 

 

ランク 
(目安点数)
外観の程度弊方での大凡の発生確率
新品
100
新品・未開封な状態のみを対象とする。中古品で100点を付ける事は無い。
極美品
95
気が付かない程度の、ほんの些細な傷・汚れがある程度で、一見すれば新品同様品。ディスプレイにもムラが感じられない。100点は新品のみで、中古品はどんなに綺麗な状態でも95点。発生確率は数%程度
美 品
85~95
「ここに傷がある」と指摘しないと気が付かない程度の、薄いスリ傷や針先でつついた様な小さな傷が2~3ある程度。或いは、ボタン等には、使用に伴う多少のテカリ等がある。大事に取り扱っていた一般家庭での、数年後の状態。ディスプレイにムラが感じられれば90点以下。発生確率は15%程度
ギリ美品
80~85
正面パネルは「美品レベル」で、全体的には綺麗な個体だが、カバーや上面、背面など目立たないところに、ちょっとした傷が1つ程度、或いは薄くゴム跡等がある状態。発生確率は5%程度
良 品
70~80
すぐに傷と分かるが気にならない程度のスリ傷や小さな打ち傷が、2~3ある程度。スピーカーであれば、目立たない箇所に、ネットに小さな破れやキャビネットに小さな打ち傷などがある場合。発生確率は40%程度
ギリ良品
65~70
正面パネルは「良品レベル」だが、カバーや上面、背面など目立たないところに、やや目立つ傷等が1つ程度、或いは凹み等の修復跡(殆ど修復後とは分からない)がある状態。発生確率は10%程度
並上品
55~65
醜い程ではないが、人によっては気になる傷が2~3ある程度。正面パネルは良品レベルでも、サイド・カバーに傷が多い場合もこのレベル。発生確率は20%程度
並 品
45~55
醜い程度にはないが、気になる程度の傷があちらこちら(数カ所程度)に散見される。中古品だから「こんなものか」と思う状態。発生確率は5%程度
並下品
45以下
上記の状況以下。発生確率は数%以下

 
  【ヤフオク「商品の状態」】 【弊方の外観評価との比較】
  新品、未使用 ・・・新品
  未使用品に近い ・・・極美品
  目立った傷や汚れなし ・・・美品、ギリ美品
  やや傷や汚れあり ・・・良品、ギリ良品
  傷や汚れあり ・・・並上品、並品
  全体的に状態が悪い ・・・並下品

 

 

動作保証期間の延長について

 

これまで、多くの機器・台数を取扱い、主にヤフオクを通して販売を行ってきた。お蔭様で、徐々にリピーターとなって頂いているお客様も増えてきた。再購入の際には、前機種の調子を聞いてみるが、有難い事に「調子良い」との声が殆ど。

そこで、通常の1週間ではなく、もう少し長い期間の動作保証はできないかと考えた。

弊方のメンテナンス範囲も、限られた範囲でしかないが、さりとて、メンテナンスの手を入れた箇所は、通常よりも延命できている筈である。そして、近い将来にも起こるであろう不具合の殆どは、やはりベルトとピックアップであろうか。ならば、これらを新品に交換した個体であれば、保証期間を延長しても良いと考えた。自信の表れでもあり、己のメンテナンスに対する戒めでもある。

その結果、今後は、以下の様な条件付きにて、動作保証の期間を延長する事とした。但し、全ての機種を対象にする程には自信が無く、対象機種を限定させて頂く事とした。但し、CD-Rに関わるトラブルが絶えないため、CD-Rは動作保証外とする以外にも、これを多用する方(自己責任でお使いになるのは一向に構わない)への販売はお断りさせて頂きます。

 

【対象機種】

・ベルトを新品に交換したCDプレーヤーおよびCD複合機

・全ベルトを新品に交換したカセット・デッキ

・スピーカー

 

【動作保証期間】 ※ヤフオクへの出品時はこの限りではない

ベルトのみ交換品:3ヵ月 (複合機のMD部は除く、DVDプレーヤーは対象外)

スピーカー:6ヵ月

リモコン:3ヵ月

 

※保証する機能は、あくまでも基本機能限定とさせて頂く。

※使用環境・条件がタフと思える、CD-Rの利用時や喫茶店などの業務用途等については対象外とさせて頂き、また、1980年代の機種については、経験・知識不足のため、今後の課題と捉える。

 

上記の処置は、機種や個体ごとに設定されるので、各商品に記載されている「商品説明」をご参照願いたい。

 

取扱説明書等の添付・ご提供

 

これまで、なるべく付属品添付を新品購入時と同等とするべく、できる限りの添付品を揃える様に努めてきた。ところが、プリンター・トラブルが続出し、出品作業や梱包作業に支障をきたす事態が度々。

そこで、より安全確実に提供する方法として、一部を除き、取扱説明書はPDF版をメールにて無償配布する様に変更した。また、RCAコード(赤白の音声接続コード)やスピーカー・コードも、ご希望の方を対象として無償同梱(ヤフーショッピンではゼロ円出品が出来ないために1円にて出品)。リモコンやケーブル等の付属品もオプション販売へ変更しました。

取扱説明書を希望するも、これを申し出る事に遠慮される気遣い深い方々もいらっしゃる事でしょう。かかる方々に対しては、後日になっても申し出て頂いた時点で、あるいは他の機種をご購入の場合でも、無償配布させて頂きます。いつでもご自由にお申し出ください。

 

弊方のメンテナンスやクリーニング技量はまだまだと自覚している。特に電気回路的な分野は素人同然。皆様方の後押しを頂きながら、さらに腕を磨いていきたい。

 

 

 

 

BGM調整はここで↓
  music "Undaunted" by Kevin MacLeod of incompetech.com

当サイトの文書、画像や写真等を他のサイトにて無断で使用される事を固く禁じます。

 Copyright(C) Stereo Workshop PONY All Rights Reserved Since 2014. ステレオ工房 ポニー
アクセスカウンター